ノートパソコンやタブレット、スマートフォンなど、携帯できるコンピュータでインターネットを気軽に楽しめる時代になりました。こういった携帯できる端末の事を「モバイル端末」と呼びますが、これらモバイル端末でインターネットを行う際に必要なのが、無線LANと呼ばれるコードを接続せずにインターネット回線に接続できるものです。せっかく持ち運びするための「モバイル」ですから、インターネットをするためにコードで接続されていてはちょっとスマートではありません。
無線でインターネット接続する時には、無線LANとかWi-Fi(ワイファイ)なんて言葉がよくでてきますが、これらの違いは一体なんなのでしょう?
ざっくり簡単に説明すると広い意味ですべて無線LAN!
ここでおさらいですが、そもそもLANとはなんでしょう?LANとはローカルエリアネットワーク(Local Area Network)の略語で、小さい範囲のネットワークという事です。例えば自宅に2台のパソコンがあって、それらを分配器(HUB)などで接続すれば、その2台同士でデータのやり取りができるようになります。例えば10人の小規模な会社があってそこに5台のパソコンがあり、それらがすべて接続されていれば、それがローカルエリアネットワークです。
ローカルとは、自分の家庭内や、社屋内などで区切るエリアの事を指す場合が多いですが、このLAN同士を複数つなぐと広域なネットワークができますので、これらをLANに対してWAN(ワイドエリアネットワーク:Wide Area Network)と呼びます。
このLANは有線で結線されているネットワークのほか無線で接続されているものもあります。これらを無線LANと呼びます。この無線LANには幾つかの通信方式があり、このなかで、無線LAN製品を製造しているメーカーが集まり、通信方式を共通のものにすることで、どんなメーカーのコンピュータを購入しても、無線LANの親機に接続できるようにした規格のことをWi-Fiと呼びます。
ざっくりとはこの程度知っておけば良いです。ちなみにこのWi-Fi規格にのっとった製品には以下のようなロゴが貼られています。メーカーにより通信方式などが変わってしまうと、コンピュータを買い替えたり、違うメーカーのコンピュータを持ってきた場合その場所でインターネットに繋げられなくて不便です。ですので、一般的に販売されている無線LAN製品はほとんどがWi-Fiという通信規格です。ちなみにWi-FiはWireless Fidelityを略してWi-Fiと呼んでいます。
さらに詳しくWi-Fiを知りたい方へ
ここからはもう少し専門的な情報です。LANなどネットワークの通信規格は米国電気電子学会:IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)という団体が定めていて、このIEEE802委員会と呼ばれています。ちなみにこの”802”という数字は1980年2月に活動が始まったことに由来しているようです。正式にはIEEE 802.11***(*にはアルファベットなどが入ります。)と表記され、11という数字は11のワーキンググループに分かれているためで、ワーキンググループのなかにそれぞれタスクグループがあり、それぞれ標準化を行っている。
このIEEE 802.11のなかには標準化が完了した様々な規格があり、通信速度などもその規格によって変わる。以下に代表的な規格を示す。
IEEE 802.11 通信速度が最大で1Mbpsまたは2Mbpsの速度
IEEE 802.11b ?通信速度が最大で5.5Mbpsまたは11Mbpsの速度(周波数2.4GHz帯)
IEEE 802.11a ?通信速度が最大で54Mbps(周波数5GHz帯)
IEEE 802.11g ?通信速度が最大で54Mbps(周波数2.4GHz帯)
IEEE 802.11n ?通信速度が最大で600Mbps (周波数5GHz帯)
これら規格の策定はもちろん現在でも進んでおり、近年ではIEEE 802.11acという理論値では6.9Gbpsを記録した超高速な規格も出てきた。さらにIEEE 802.11adは60GHz帯の周波数を利用して理論値で7Gbpsの通信を可能にし、新たにWiGig CertifiedというWi-Fiアライアンスによる新しい高速通信の規格も登場した。
国際的に規格化されているが国によっては使えない規格も・・・
2.4GHz帯の周波数については国際電気通信連合無線通信部の無線通信規則が定めるもので、どの国でも利用できることになっています。しかし5GHzの周波数帯の無線LAN通信では、国によって使用できる周波数が異なります。5GHz帯は免許が必要な場合があり、無線の基地局などとして提供する製品はその国の法律の検査を通過したものを利用することになっています。
日本国内では技術標準適合証明(通称:技適)と呼ばれる認定証がついたものが必要で、近年スマートフォンなど世界中で持ち運ぶ可能性のあるモバイル端末については世界各国の認証を取得していてその認証マークの表示を義務付けています。
ちなみに、この場合海外などで自宅で使う無線基地局を購入してきて、設置し使っていると日本の技適に適合しておらず利用してはいけない電波を発する場合があるため、電波法違反になる場合があるので注意しましょう。
以上、知っておきたい無線LAN、Wi-Fiの知識でした。
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