Windowsパソコンが起動しない! 原因に合わせた対応を!
「いつものようにパソコンの電源を入れたのに、黒い画面のまま…」「Windowsのロゴは出るけど、先に進まない!」
こんな状況に陥り、頭を抱えている方はいませんか?
Windowsパソコンが起動しない、というのはよくあるトラブルですが、原因はソフトウェアからハードウェアまで多岐に渡るため、解決策を見つけるのが難しい問題でもあります。
この記事では、Windowsパソコンが起動しない時の原因を、初心者の方にも分かりやすく解説するとともに、それぞれの原因に合わせた対処法をステップごとにご紹介します。
この記事を読めば、パソコン修理に出さなくても、自力で問題解決できるかもしれません。 ぜひ、最後まで読んでみてください。
Windowsパソコンが起動しない時の原因は?
Windowsパソコンが起動しない原因は大きく分けて、以下の3つが考えられます。
- ソフトウェアのエラー
- ハードウェアの故障
- Windows Updateの失敗(これもソフトウェアのエラーのひとつ)
それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。
1. ソフトウェアのエラー
ソフトウェアのエラーは、Windowsパソコンが起動しない原因として最も多く見られるケースです。
例えば、
- Windows OS(オペレーティングシステム)の破損
- システムファイルの破損
- デバイスドライバの不具合
- ウイルス感染
などが挙げられます。
これらのエラーは、システムプログラム更新の失敗や、突然の停電、ソフトウェアの誤った操作、悪意のあるソフトウェアのインストールなどが原因で発生することがあります。
【ソフトウェアのエラーで見られる症状】
- 起動中や起動後にブルースクリーン(Blue Screen of Death:BSoD)が表示される
- エラーメッセージが表示される
- Windowsのロゴマークが表示された後、フリーズする
- 電源投入後、メーカーのロゴマークが表示されてから先に進まない
- マウスやキーボードが反応しない
2. ハードウェアの故障
パソコン内部の部品、つまりハードウェアの故障も、起動不良の原因となります。
- HDD(ハードディスク)やSSD(ソリッドステートディスク)の故障
- メモリの故障
- マザーボードの故障
- 電源ユニットの故障
などが考えられます。
物理的な衝撃や経年劣化、熱による損傷などが原因で発生することが多いです。
【ハードウェアの故障で見られる症状】
- 電源を入れても全く反応がない
- 異音(カチカチ音、ピーというビープ音)がする
- 電源ランプが点滅する
- 画面に何も表示されない(ブラックアウト)
- HDDやSSDが接続されていない、起動ディスクが見つからない、などのエラーメッセージが表示される
3. Windows Updateの失敗
Windows Updateは、パソコンのセキュリティを維持し、パフォーマンスを向上させるために重要なものです。
しかし、Windows Updateが正しく完了しなかった場合、システムファイルが破損し、起動不良を引き起こす可能性があります。
【Windows Updateの失敗で見られる症状】
- 「Windows Updateを構成しています」という画面で停止する
- エラーメッセージと共に、以前のバージョンのWindowsに戻ってしまう
- システム更新後、再起動に失敗して起動しない
Windowsパソコンが起動しない時の対処法
原因別に具体的な対処法を見ていきましょう。
【注意】 以下の対処法を試す前に、必ずデータのバックアップを取ってください。 作業中にデータが消失した場合やシステムが起動しなくなるなどのトラブル発生に関して、自己責任でお願いします。
1. ソフトウェアのエラーへの対処法
1-1. セーフモードで起動する
セーフモードとは、Windowsを最低限の機能だけを読み込んで起動するモードです。
セーフモードで起動できれば、Windowsの基本機能を使用してシステムファイルの修復やウイルスチェックなど、通常モードで起動できない場合でも操作を行うことができます。
【セーフモードでの起動方法】
- 電源ボタンを押してパソコンを起動し、すぐにF8キーを連打します。(メーカーにより異なることがあります)
- 「詳細ブートオプション」画面が表示されたら、「セーフモード」を選択し、Enterキーを押します。
1-2. システムファイルチェッカーを実行する
システムファイルチェッカー(SFC)は、Windowsのシステムファイルに破損がないかスキャンし、修復してくれる機能です。
【システムファイルチェッカーの実行方法】
Windowsのシステムファイルチェッカー(System File Checker、SFC)は、Windowsオペレーティングシステムに組み込まれているユーティリティツールです。
システムファイルの整合性をスキャンし、不足しているファイルや破損したファイルを検出して修復することができます。
このツールは、システムの安定性やパフォーマンスに影響を与える可能性のある問題を解決するために非常に有用です。
- セーフモードで起動後、検索ボックスに「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
- コマンドプロンプトに「sfc /scannow」と入力し、Enterキーを押します。
- スキャンが完了するまで待ちます。
1-3. スタートアップ修復を行う
スタートアップ修復は、Windowsの起動に必要なファイルや設定を修復する機能です。
【スタートアップ修復の実行方法】
- Windowsのインストールメディア(USBメモリまたはDVD)を挿入します。
- パソコンを起動し、BIOS設定画面を表示します。(メーカーや機種によってキーが異なりますが、一般的にはF2キー、F10キー、Delキーなどが使われます。)
- BIOS設定画面で、起動順位をインストールメディアから起動するように変更します。
- 設定を保存し、BIOS設定画面を終了します。
- 「Windowsのインストール」画面が表示されたら、「コンピューターを修復する」を選択します。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ修復」を選択します。
1-4. ウイルススキャンを行う
ウイルス感染が疑われる場合は、セキュリティソフトを使用してウイルススキャンを行いましょう。 セーフモードで起動し、ウイルススキャンを実行することをおすすめします。
2. ハードウェアの故障への対処法
ハードウェアの故障が疑われる場合は、専門知識が必要となるため、無理に自分で修理しようとせず、メーカーや専門業者に相談することをおすすめします。
2-1. データ復旧の可能性
HDDやSSDが故障した場合でも、データ復旧の可能性は残されています。
データ復旧サービスを提供している専門業者に依頼することで、大切なデータを救出できるかもしれません。
3. Windows Updateの失敗への対処法
Windows Updateは、システムプログラムの最新版やセキュリティ対策などが更新されたプログラムにアップデートされる機能ですが、まれにアップデートに失敗したり、アップデートプログラムにバグがあった場合などにシステム起動に不具合が起こることがあります。
このような場合は、以下の方法で、アップデート前のシステムに戻すことで状況が改善される可能性があります。
3-1. システムの復元
Windows Updateを行う前の状態にシステムを戻すことで、問題を解決できる可能性があります。
【システムの復元方法】
- セーフモードでパソコンを起動します。
- 検索ボックスに「システムの復元」と入力し、Enterキーを押します。
- 画面の指示に従って、復元ポイントを選択します。
3-2. Windows Updateのアンインストール
システムの復元ができない場合は、問題が発生する直前にインストールされたWindows Updateをアンインストールする方法があります。
【Windows Updateのアンインストール方法】
- セーフモードでパソコンを起動します。
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「更新履歴を表示する」を選択します。
- アンインストールしたい更新プログラムを選択し、「アンインストール」をクリックします。
更新後の再起動の際に止まってしまったら
Windows Updateやシステムの復元後などにシステムが再起動されることがあります。
その際に、電源投入後のメーカーロゴマーク表示や黒い画面、Windowsロゴ表示などが表示されたまま先に進まないことがまれにあります。
このような場合は、システムの更新に時間がかかっていることもあるので、1日ほど放置してみます。
それでも起動しない場合、HDDやSSDのアクセスランプが消灯していることを確認してから、電源ボタンを長押しして強制終了させます。
1分ほど時間をおいてから再度電源を投入すると、いくつかメッセージなどが表示された後にWindowsが起動することがあります。
それでも起動しない場合は、インストールディスクやリカバリーディスクなどを使用して、パソコンの初期化が必要になります。
システムイメージをバックアップしている場合は、それを利用してシステムを復元しましょう。
焦らず原因を特定し、適切な対処を
Windowsパソコンが起動しない場合でも、落ち着いて対処すれば、問題を解決できる可能性があります。
まずは、この記事で紹介した内容を参考に、原因の切り分けを行いましょう。
そして、ソフトウェアのエラーであれば、自身で解決できる可能性があります。
しかし、ハードウェアの故障が疑われる場合は、データ消失のリスクを避けるためにも、無理に自分で修理しようとせず、メーカーや専門業者に相談することをおすすめします。