Maintosh(マッキントッシュ)はいつからMac(マック)へ?
Apple社のパーソナルコンピューターは、1984年の初代モデル以来、Macintoshという名称で親しまれてきました。しかし、現在ではMacという短縮形で呼ばれることが一般的です。この名称変更は、Apple社の歴史と製品戦略の変化を反映しています。
Macintoshの誕生と成功
Apple社は1976年4月、スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアックそしてロナルド・ウェインの3人で創業した米国カリフォルニア州の会社です。当初発売していたのは、Apple I と呼ばれるコンピューターで、その後はApple IIを発売しコンピューターの個人ユースの世界を広げてきました。
1984年、Appleは革新的なパーソナルコンピューター「Macintosh」を発表しました。グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を採用し、直感的な操作を可能にしたMacintoshは、当時のコンピューター市場に大きな衝撃を与えました。
Macintoshは、Appleの共同創業者スティーブ・ジョブズが特に力を注いだ製品であり、彼の完璧主義的なこだわりが随所に反映されていました。名前の由来は、Apple社員ジェフ・ラスキンが好んだリンゴの品種「McIntosh」に由来しています。
しかしMacintosh発売後、1985年にジョブスは経営陣らとの対立により、役員を解任されAppleを離れることになります。
MacintoshからMacへ
1997年、スティーブ・ジョブズがAppleに復帰すると、製品ラインナップの簡素化が進められました。iMac、PowerBook、MacBookなど、Macintoshシリーズの各モデルは、Macという名称で統一されるようになりました。この前の年までは、OSもSystem7、日本語版は「漢字Talk7.5」などと呼ばれていましたが、以降はMacOSに統一されていきます。
これは、より親しみやすく覚えやすいブランドイメージを構築するための戦略でした。Macという短縮形は、すでに多くのユーザーが日常的に使用しており、より自然な呼び方として定着していました。
Macの進化と多様化
2000年代に入ると、Macはさらに進化を遂げました。Intelプロセッサの採用、Mac OS X(現macOS)の登場など、技術的な革新が相次ぎました。同時に、iMac、MacBook Air、MacBook Proなど、多様なモデルが登場し、ユーザーのニーズに応えるラインナップが構築されました。
Macは、デザイン性、使いやすさ、性能のバランスが評価され、クリエイティブなプロフェッショナルや一般ユーザーから幅広い支持を得ています。
MacintoshからMacへ、そして未来へ
MacintoshからMacへの名称変更は、Apple社の歴史におけるターニングポイントの一つです。それは、製品戦略の変化、ブランドイメージの刷新、そしてユーザーとの関係性の進化を象徴しています。
2011年10月5日、創業者であり、一度はAppleを追われたスティーブ・ジョブズが亡くなりました。Macへと改名後、ジョブスの一番の理解者でもあり、先進的なデザインをけん引してきたジョナサン・アイブ氏も2019年にAppleを去り、Appleは更なるターニングポイントを迎えたと言えます。
以降、iPhoneなどで最高益をたたき出すも、Vision Proのような製品をリリースするなど、出てくる製品へのイノベーションを感じないAppleファンは少なくありません。ジョブスが生きていたら今のVision Proをリリースしたでしょうか。