クラウド(CLOUD)
クラウドとは?
「クラウド」とは、インターネット経由で様々なITリソース(サーバー、ストレージ、ソフトウェアなど)を利用できるサービスのことです。従来のように自社でサーバーやソフトウェアを購入・管理する必要がなく、必要な時に必要な分だけ利用できるのが特徴です。
クラウドの例え
クラウドは、日常生活に例えるなら、必要な時に必要な分だけ電気や水道を使うのと同じ仕組みをITサービスにおきかえたものです。電気や水道は、自宅に発電所や浄水場を作る必要はなく、必要な時に必要な分だけ利用できます。クラウドも同様に、自社でITインフラを構築・維持する必要がなく、インターネット経由で必要なサービスを利用できます。
従来のシステム(オンプレミス)
従来のシステムでは、企業や個人が自前のサーバーやソフトウェアを所有し、管理する必要がありました。
例:
- 会社のファイルサーバー: 社内の書類やデータを保存するための専用機器
- 会計ソフト: パソコンにインストールして利用する会計処理プログラム
メリット:
- セキュリティ: 自社で管理するため、情報漏洩のリスクを低減できる(とされていましたが、近年では必ずしもそうとは限りません)。
- カスタマイズ性: 自社のニーズに合わせて自由にシステムを構築できる。
デメリット:
- 高額な初期費用: サーバーやソフトウェアの購入、設置に多額の費用がかかる。
- 運用・保守の手間: システムの管理やトラブル対応に専門知識が必要。
- 拡張性の制限: サーバーの容量を超えると、システムの拡張が難しい。
クラウドサービス
クラウドでは、インターネット上のサービスとして提供されるため、自前でサーバーやソフトウェアを用意する必要はありません。
例:
- Google Drive: インターネット上でファイルの保存や共有ができるサービス
- freee: インターネット上で会計処理ができるサービス
メリット:
- 低コスト: サーバーやソフトウェアの購入費用が不要。利用料金のみで済む。
- 手軽さ: インターネット環境があれば、どこからでも利用できる。
- 自動アップデート: サービス提供側が常に最新の状態に保ってくれる。
- 拡張性: 利用状況に応じて、柔軟にシステムを拡張できる。
デメリット:
- セキュリティ: サービス提供側のセキュリティ対策に依存するため、情報漏洩のリスクがある(ただし、セキュリティ専門の企業が管理しているため、自社管理よりも安全な場合が多いです)。
- インターネット依存: インターネット環境がないと利用できない。
- カスタマイズ性の制限: サービス提供側の仕様に合わせた利用になる。
クラウドの呼び方による種類
クラウドには、以下の3つの種類があります。
- パブリッククラウド: 不特定多数のユーザーが利用できるクラウドサービス(例: Google Drive, freee)
- プライベートクラウド: 特定の企業や組織だけが利用できるクラウドサービス
- ハイブリッドクラウド: パブリッククラウドとプライベートクラウドを組み合わせたクラウドサービス
クラウドのサービスの種類
クラウドには、提供されるサービスの種類によって、以下の3つの種類があります。これはどのレベルから利用するかによって、カスタマイズできる内容が変わってきます。以下の1~3の1が最もカスタマイズでき、3がソフトウェアのみを利用するクラウドサービスという形になります。
- IaaS (Infrastructure as a Service): サーバーやストレージなどのインフラを提供
- PaaS (Platform as a Service): アプリケーション開発・実行環境を提供
- SaaS (Software as a Service): ソフトウェアを提供
クラウドの具体例
- IaaS: Amazon EC2, Microsoft Azure
- PaaS: Google App Engine, Heroku
- SaaS: Google Workspace, Salesforce, Dropbox
クラウドは、従来のシステムと比べて、低コストで手軽にITサービスを利用できるというメリットがあります。一方で、セキュリティやインターネット依存などのデメリットも存在します。クラウドの種類や特徴を理解し、自社のニーズに合ったサービスを選択することが重要です。