2024年ビットコインが大きく動いている
2024年、暗号資産、特にビットコインが再び脚光を浴び始めています。誕生から現在に至るまでの紆余曲折を経て、なぜ今再び注目を集めているのでしょうか。
暗号資産の誕生と発展
暗号資産の歴史は、2009年のビットコインの誕生に始まります。2008年にサトシ・ナカモトという謎の人物（またはグループ）によって突如ネット上に情報が公開されたブロックチェーン技術によるビットコインは、中央銀行や政府などの管理主体を持たない分散型のデジタル通貨として、金融の世界に新たな風を吹き込みました。
初期のビットコインは、一部の技術愛好家や投機家たちの間でのみ知られていましたが、徐々にその存在は世間に広がり、2017年には価格が急騰。多くの人々が暗号資産の可能性に気づき、投資や利用を始めるようになりました。しかし、その後の価格下落やハッキング事件など、暗号資産を取り巻く環境は必ずしも順風満帆ではありませんでした。
ビットコインの価格の推移
2024年8月の1ビットコインの価格はおよそ880万円程度です。
2009年1月3日にリリースが開始され、ビットコインの最初のブロックである「Genesis Block」が生成されました。その10月には初の仮装通貨取引所New Liberty Standardが1ビットコインを0.0000994円という価格（現在のレートだと0.14円、当時は7円程度）で取引をスタートさせています。
アメリカではじめてビットコインが民間での取引に使われたというニュースが出たのが2010年5月ごろで、その時はおよそ0.2円でした。しかしこの2か月後には35倍の7円になっています。
2011年6月には大手取引所Mt.Goxがハッキングで大量のビットコインを失うというニュースがありましたが、この時でおよそ1,500円。約1年で資産価値がおよそ215倍になっています。
2013年10月には中国の大手ショッピングサイト「バイドゥ（百度）」がビットコイン決済を採用したため、1ビットコインの価格は1万5千円程度でした。そしてその2か月後には12万円になります。
2014年にはMt.GoXが再度ハッキングを受けいよいよ閉鎖となり、この時で1ビットコインの価格は20,000円程度まで下落します。何とも凄い乱高下を繰り返しています。
そして2017年には仮想通貨に対する法律が整備されていくなど世間に認められてきたこともあり大きく価格が動きます。2017年年初に10万円程度だったビットコインが2017年末には170万円付近になります。
その後2018年からは価格が下がり、2020年までの間は40万円程度から100万円以下を行ったり来たりし、2020年9月ごろから100万円を超えると、ここから急激に値を上げ年末に300万円を超え、2021年には600万円を突破します。そして、2023年までは200万～600万円を推移、2024年では600万円を超え、2024年3月には1000万円を超え、現在の価格に至っています。
再燃の理由：複数の要因が絡み合う
2023年の金融不安を経て、2024年は暗号資産にとって追い風が吹いています。その背景には、複数の要因が絡み合っています。
- ビットコインETFの承認: アメリカ証券取引委員会（SEC）がビットコインETFを承認したことは、機関投資家による大規模な資金流入の可能性を示唆し、市場の信頼感を高めました。
- 半減期: ビットコインの半減期は、新規発行量が減少することで希少性が高まり、価格上昇が期待されるイベントです。2024年に予定されている半減期は、投資家たちの関心を集めています。
- 地政学リスクとインフレ: ロシアのウクライナ侵攻や世界的なインフレは、従来の金融システムへの不信感を高め、代替資産としての暗号資産の魅力を高めています。
- トランプ氏の政策転換: かつて暗号資産に否定的だったドナルド・トランプ氏が、2024年の大統領選挙に向けて推進する姿勢に転じたことも、市場にポジティブな影響を与えています。
特に、トランプ氏の政策転換は象徴的です。彼は以前、暗号資産は「詐欺」であり、「価値の裏付けがない」と批判していました。しかし、最近のインタビューでは、暗号資産は「素晴らしいもの」であり、「大きな未来がある」と発言。この転換は、暗号資産が主流の金融商品として認められつつあることを示しています。
今後の展望：さらなる発展と課題
暗号資産は、再び注目を集めることで、さらなる発展を遂げる可能性を秘めています。技術革新が進み、新たなユースケースが登場することで、私たちの生活に深く浸透していくかもしれません。
しかし、課題も残されています。価格変動のリスクや規制の不透明性など、克服すべき点は少なくありません。暗号資産が真に社会に受け入れられるためには、これらの課題を解決し、安全かつ信頼性の高い金融商品としての地位を確立していく必要があります。
2024年は、暗号資産にとって新たな章の始まりとなるでしょう。今後の動向に注目が集まります。
