初めての業務システムの設計を成功に導くために
近年、EC市場の拡大に伴い、Web注文から製品の製造、発送までを一元管理する業務システムの重要性が高まっています。
しかし、多岐にわたる機能を備えたシステムの設計は、専門知識が必要であり、多くの企業にとって大きな課題となっています。
本記事では、業務システム設計していくための工程を解説していきます。
Web注文システムの構築を検討されている方や、製造業における業務効率化に関心のある方は必見です。
受注から出荷までの業務フローを最適化し、在庫管理を効率化することで、生産性向上とコスト削減を実現できます。また、顧客満足度向上にもつながり、企業の競争力強化に貢献します。
1.要件定義:システムに求めることを明確にする
- 目的の明確化
システム導入によって何が実現したいのか、具体的な目標を設定します。
例:受注処理の自動化、在庫管理の効率化、顧客満足度の向上など - 機能の洗い出し
システムに実装したい機能を詳細にリストアップします。
例:注文受付、在庫管理、生産計画、出荷管理、顧客情報管理など - 性能要求
システムに求められる処理速度、同時アクセス数、データ容量などを定量的に定義します。 - セキュリティ要件
データの機密性、完全性、可用性を確保するためのセキュリティ対策を検討します。
例:アクセス権限管理、データ暗号化、不正アクセス対策など
要件定義の詳しい説明はこちら
https://www.pc-cafe.jp/requirement-definition-point/
2.基本設計:システムの全体像を設計する
- システム構成
ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどの構成を決定します。 - データ構造
顧客情報、製品情報、注文情報など、システムで扱うデータをどのように格納するか設計します。 - 画面設計
ユーザーが操作する画面のレイアウト、入力項目などを設計します。 - 業務フロー
注文から発送までの業務の流れをシステムに落とし込み、各処理間の連携を設計します。
基本設計の詳しい説明はこちら
https://www.pc-cafe.jp/system-basicdesign/
3.詳細設計:各機能を詳細に設計する
- モジュール設計
システムを構成する各機能をモジュールに分割し、それぞれの処理内容を詳細に設計します。 - アルゴリズム設計
各モジュールの処理ロジックをアルゴリズムとして記述します。 - データベース設計
データベースのテーブル構造、インデックス設計などを詳細に設計します。
4.開発:設計に基づいてシステムを構築する
- プログラミング
設計書に基づいて、プログラミング言語を用いてシステムを開発します。 - テスト
単体テスト、結合テスト、総合テストを実施し、システムの品質を確保します。
5.導入・運用:システムを稼働させ、継続的に改善する
- 導入
開発したシステムを本番環境に導入し、ユーザーへの教育を実施します。 - 運用
システムの稼働状況を監視し、トラブルが発生した場合には迅速に対応します。 - 改善
ユーザーからのフィードバックを基に、システムを継続的に改善していきます。
設計ポイント
- ユーザー視点
常にユーザー視点でシステムを設計することが重要です。 - 柔軟性
将来的な変更に備え、柔軟な設計を心掛けましょう。 - セキュリティ
情報漏洩を防ぐためのセキュリティ対策を徹底しましょう。
システム構築は要件定義を最重視して
以上、業務システム構築の流れを解説してきました。
業務システムの設計は、企業の業務効率化に大きく貢献します。
特に、1の要件定義でシステムに必要な情報を整理しておかないと、「あれがなかった」「これもなかった」と開発がストップしてしまうことも。
流れとその工程でやるべきことを確実にこなし、自社のニーズに合ったシステム構築を目指しましょう。