IPFS (InterPlanetary File System)
IPFS(インタープラネタリーファイルシステム)は、インターネット上のデータを新しい方法で保存・共有する技術です。直訳すると惑星間でのファイルシステムという意味になり、地球上の特定のサーバーに依存せず、複数のコンピュータに分散してデータを保存・共有するシステムであることから、この分散型の構造は、まるで惑星が太陽系に散らばっているように見えることから、「惑星間ファイルシステム」と名付けられました。
従来のインターネットでは、データは特定の場所(サーバー)に保存されていました。そのため、そのサーバーが停止するとデータにアクセスできなくなったり、データが改ざんされるリスクがありました。
IPFSでは、データを複数のコンピュータに分散して保存します。そのため、一部のコンピュータが停止しても、他のコンピュータからデータを取得できます。また、データの内容から計算された「コンテンツID」というユニークな番号でデータを管理するため、データが改ざんされた場合でもすぐに検知できます。
IPFSは、データを「どこにあるか」ではなく「何であるか」で識別するため、より安全で効率的なデータの保存・共有を実現します。
具体的には、以下のような特徴があります。
- 耐障害性: データが複数のコンピュータに分散保存されるため、一部のコンピュータが停止してもデータにアクセスできます。
- 改ざん検知: データの内容から計算されたコンテンツIDでデータを管理するため、データが改ざんされた場合でもすぐに検知できます。
- 効率的なデータ転送: 必要なデータだけを転送するため、通信量を削減できます。
IPFSは、Webサイトの構築、ファイル共有、データバックアップなど、様々な用途で活用できます。
「惑星間ファイルシステム」という名前の通り、IPFSの開発者は、将来、地球だけでなく、月や火星など、他の惑星にもデータが分散して保存されるような世界を想定しています。IPFSは、そのような惑星間でのデータ共有を可能にする技術として開発が進められています。
また、「惑星間」という言葉には、IPFSが従来のインターネットの制約を超える、新しい可能性を秘めた技術であるというメッセージも込められています。