MacでもWindowsをインストールして、Windows環境をそのまま構築できます。標準でもBootCampという、起動時にMacにするか、Windowsにするかを選択して、本体を丸ごとWindowsにしてしまう事もできるが、今回ご紹介するVirtualBox(バーチャルボックス)というソフトはオラクルによって開発がすすめられている仮想化ソフト。Mac起動後に仮想ソフトを起動することにより、上図のようにウィンドウ内でWindowsを起動できる。(もちろんフルスクリーンモードでも利用可能)
仮想プラットフォームではWindowsだけでなく、LinuxやSolaris、BSD、OS/2なども搭載可能。Windows版のソフトもあるので、Windows上でMacOSを利用する事もできる。
VirtualBoxはフリーウェアであるものの、その機能は有償の仮想プラットフォームParallels Desktopに迫るものがある。MacとWin間でのファイル共有はもちろん、リモートデスクトップ、各種周辺機器も利用可能。
まずは仮想マシンを作成する。
まずは、仮想ソフトVirtualBoxをダウンロードしてインストールします。下記URLを開き、「Downloads」をクリックし、次に現在使っているOSを選択します。(今回はMacを使っている人がWindowsを使う場面を想定して話を進めます。)
Mac用のVirualBoxは for OS X と書かれたものがそれに当たります。
▼VirtualBox公式サイト
http://www.virtualbox.org/
ダウンロード後、展開するとデスクトップに「VirtualBox」のがマウントされます。それをひらくと下図のようなパッケージが表示されますので、パッケージをダブルクリックして、インストールします。
インストールが完了すると、アプリケーションフォルダにVirtualBoxのアイコンが表示されます。これをダブルクリックして起動すると仮想マシンの設定画面「Oracle VM VirtualBoxマネージャー」が開きます。
画面左上の「新規」ボタンをクリックして新しく仮想マシンを作成を始めます。流れとしては、仮想マシンというMac上に仮想のパソコンを1台作り、そこにWindowsをインストールします。仮想マシンは複数作れますので、Windowsだけでなく、Linuxもインストールしたければ、更に仮想マシンを追加で作成し、その仮想マシンにLinuxをインストールします。
作成ウィザードが開いたら「続ける」をクリックします。
ここで、仮想マシンに名前をつけて、どのOSで利用するかを選択します。今回はWindows7 Professionalをインストールします。仮想マシンの名前は任意ですので好きな名前を付けられます。今回は「Windows7」としました。オペレーティングシステムは「Microsoft Windows」を選び、バージョンは「Windows 7」を選択し、「続ける」ボタンをクリックします。
続いてメモリの設定を行います。例えばMacに4GBのメモリを搭載しているのであれば、全体で4000MBもしくはそれに近い数字が表示されているはずです。このうちWindowsを起動した際にどれくらい利用するかというものです。全て選んでしまうとMac側の操作が非常に遅くなってしまいます。Mac側にも1,000MB程度は残しておきたいところです。
メモリの設定は、数値を直接入力してもできますし、スライダをドラッグして左右に動かして割りあてメモリの数値の調整も可能です。
メモリは以下のようの目安で設定してください。
●Windows XPなら最低限 512MB 推奨1,000MB以上
●Windows Vista / 7なら最低1,000MB 推奨2,000MB以上
※最低限のメモリ搭載ではどうしてもWindowsでないと開けないデータを見たりする用途で、編集などをしたいのであれば、推奨以上のメモリの割り当てにしてください。メモリに余裕が無い場合は、元々のMacのメモリも増設をお勧めします。
仮想マシンで利用するHDD(ハードディスク領域)を設定します。ハードディスクとはパソコンの中で主にデータを格納しておく場所です。Windowsのシステムやインストールしたソフト、作ったデータなどはメモリでは無くて、ここで作成するハードディスクと呼ばれるディスクに保存されます。ここでは「新規ハードディスクの作成」を選んでください。
「続ける」をクリックすると「新規仮想ディスクの作成」ウィザードが開きますので、さらに「続ける」をクリックします。
次にハードディスクのタイプを選びます。ウインドウに書かれている通りです。ここでは「可変サイズのストレージ」を選んでおくと、使った量だけ増やすという形になります。ハードディスク容量に余裕がある方できっちりWindows領域は確保しておきたい場合は「固定サイズのストレージ」を選択してください。
次に仮想マシンのハードディスク容量の最大値の設定を行います。ハードディスクを可変サイズにした方でも、この容量以上にデータを入れる事ができませんし、固定サイズを設定した人はここで設定するディスク容量がMac全体のディスク容量からWindow専用の領域分として最初から確保されます。
現在利用しているハードディスク容量が全体でどれくらいあるのか、そのうちどれくらい使っているのか、などを調べ、容量を決定してください。目安として最低でも40GBくらいは使いたいところ。Windowsの利用頻度が高くなりそうであれば100GB以上を目安にしましょう。設定が完了したら「続ける」ボタンを押して次にすすみます。
これで設定が完了し、仮想マシンが設定されました。イメージとしては、ここまでが仮想のパソコンをMac上に作成したまで。ですからこれで仮想マシンを起動しても真っ黒な画面です。
ここからは、この作成した仮想マシンにWindowsをインストールしていきます。
仮想マシンにWindowsをインストール
今回は、Windows7 Professional Editionをインストールします。
※インストールするにはWindowsのパッケージソフト、もしくはライセンスが必要です。
画面にOracle WM VirtualBoxが表示されてままで良いので、WindowsのディスクをMacに入れます。
入れたらOracleWM VirtualBoxの一覧にある、先ほど作成した仮想マシンをダブルクリックして起動します。実際のパソコンで言うと電源ボタンを押した事になります。
すると黒い画面になり画面下部にWindowsのセットアップを準備する進行状況が現れます。
画面中央の「今すぐインストール」ボタンをクリックすればインストールが開始されます。
次の画面では使う言語やキーボードの種類を選択します。殆どの場合、日本語の設定になっているはずですので、そのまま「次へ」進んでください。この時に画面上部に警告のようなメッセージが表示されます。
今後Windowsを使っている場合、Mac側マウスが動きません。Windowsの作業中にMacの作業に切り替えたい場合は「コマンドキー:command」を押すとロックが解除されMacのマウス操作ができます。Windowsに戻る場合は、Windowsのウィンドウ内でクリックすれば、また警告が現れて、Windows内でマウスが利用できるようになります。
Windowsのパッケージに張られているプロダクトIDのキーを入力します。プロダクトキーは自動的に大文字になり、-(ハイフン)も自動で入力されます。間違わないように入力して「次へ」進んでください。
Windows起動時に利用するユーザー名とコンピューター名の入力を求められますので、任意のものでアルファベットで入力し「次へ」。
あとはインストールが完了すれば利用できるようになります。
仮想マシンとは言え、きちんとパソコンとしての扱いを!
ここまでで、インストールは完了しましたが、これでMacの中にWindowsパソコンが搭載された形になります。
通常のWindowsとまったく同じですので、終了する際にはくれぐれも仮想マシンを閉じるボタン(「×」)をクリックして消さないようにしてください。これは電源をいきなり切ってしまうような行為です。きちんと「スタート」ー「シャットダウン」を選んで終了させてから、仮想マシンの電源も切りましょう。
また、当然ウィルス対策も必要です。ウイルスバスターなどを入れてセキュリティ対策も行いましょう。仮想マシンでも感染すればデータを破壊されてしまったりパソコンの中にある個人情報など取られてしまう場合があります。