WinPE Bootable Builder搭載:初心者でも簡単!自分だけの起動ディスク作成術
「パソコンが起動しなくなった!」「クリーンインストールしたいけど、USBメモリがない…」そんなピンチを救ってくれるのが、WinPE(Windows Preinstallation Environment)です。
WinPEは、Windowsの機能を限定的に搭載した軽量OSであり、USBメモリやDVDなどの起動メディアから起動することで、Windowsが起動しない状態でも様々な作業が行えます。
そして、この便利なWinPEを誰でも簡単に作成できるのが、「WinPE Bootable Builder」のようなツールです。
この記事では、「WinPE Bootable Builder搭載」について、その基本的な概念から、できること、具体的な作成方法、そして活用方法までを、初心者の方にもわかりやすく、詳しく解説していきます。
1. WinPE Bootable Builder搭載とは?
「WinPE Bootable Builder搭載」とは、WinPEの起動可能なUSBメモリやDVDなどを、専用のソフトウェア(Bootable Builder)を使って簡単に作成できる機能が備わっていることを指します。
従来、WinPEの作成はコマンドライン操作など、ある程度の知識が必要でしたが、Bootable Builderを利用することで、GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)上で直感的な操作が可能になり、専門知識がない方でも手軽に自分だけのWinPE起動ディスクを作成できます。
2. WinPE起動ディスクで何ができるの?
WinPE起動ディスクを作成することで、主に以下のような作業が行えるようになります。
- トラブルシューティングと復旧:
- Windowsが正常に起動しない場合に、データのバックアップを行うことができます。
- システムの復元ポイントを使って、以前の状態に戻すことができます。
- ハードディスクのエラーチェックや修復を試みることができます。
- ウイルススキャンを実行し、マルウェアを除去できる場合があります。
- BIOS/UEFIの設定変更を行うことができます。
- OSのインストールと展開:
- Windowsのクリーンインストールを行う際の起動メディアとして使用できます。
- 企業などで、複数のPCに同じOSイメージを展開する際に利用できます。
- データ管理:
- ファイルやフォルダのコピー、移動、削除など、基本的なファイル操作が行えます。
- パーティションの管理(作成、削除、フォーマットなど)を行うことができます。
- その他:
- ネットワーク接続を確立し、インターネットやネットワーク上のリソースにアクセスできる場合があります。
- 各種診断ツールを実行し、ハードウェアの状態などを確認できます。
3. WinPE Bootable Builderの選び方と注意点
様々なWinPE Bootable Builderが存在しますが、選ぶ際には以下の点を考慮すると良いでしょう。
- 使いやすさ: 直感的なGUIを備えており、初心者でも簡単に操作できるか。
- 対応OS: 作成元のWindows OSや、作成するWinPEの対応OSを確認しましょう。
- カスタマイズ性: 必要なツールやドライバを簡単に追加できるか。
- 対応メディア: USBメモリ、DVDなど、作成したい起動メディアに対応しているか。
- ライセンス: 無料で利用できるか、有料の場合は費用対効果はどうか。
- セキュリティ: 信頼できる提供元が配布しているか。
注意点:
- Bootable Builderによっては、Windows ADK (Assessment and Deployment Kit) などの別途ツールをインストールする必要がある場合があります。
- 作成するWinPEに含めるドライバやツールによっては、ライセンス上の問題が発生する可能性があるため、注意が必要です。
- 誤った操作は、データ損失やシステム障害につながる可能性があるため、慎重に作業を行いましょう。
4.代表的なWinPE Bootable Builder搭載ツール
- MiniTool Power Data Recovery
- 無償版・有償版が用意されているデータ復旧ツール。有償版にはWinPE Bootable Builderが搭載されている。多言語対応で、日本語にも対応している。
- https://jp.minitool.com/data-recovery-software
- AOMEI PE Builder
- 無償で利用できるWinPE作成ツール。AOMEI BackupperやPartition Assistantなどのツールを統合可能。シンプルな操作で初心者にも扱いやすい。
- https://www.aomeitech.com/windows-tips/pe-builder.html
- EaseUS Todo Backup WinPE Bootable
- バックアップ、復元、ディスククローンなどの機能を持つEaseUS Todo Backupの機能を利用してWinPE起動ディスクを作成。
- https://www.easeus.com/backup-software/
- Macrium Reflect Free (WinPE Rescue Media)
- 高機能なバックアップ・イメージングソフトの無償版。WinPEベースのレスキューメディア(起動ディスク)を作成可能。
- https://www.macrium.com/reflectfree
- Lazesoft Recovery Suite Home Edition
- システム修復、データ復旧、パスワード回復など、様々なツールを搭載したWinPEベースの起動ディスクを作成可能。無料版と有料版あり。
- https://www.lazesoft.com/
- Microsoft ADK (Windows PE アドオン)
- Microsoftが公式に提供するWindows Assessment and Deployment Kitに含まれるツール。コマンドラインベースでの操作が中心となるが、柔軟なカスタマイズが可能。Bootable Builderというよりは、WinPE作成の基盤となるツールキット。
- https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows-hardware/manufacture/desktop/winpe-create-usb-bootable-drive?view=windows-11
5. WinPE Bootable Builderを使った起動ディスク作成の基本的な流れ
ここでは、一般的なWinPE Bootable Builderを使った起動ディスク作成の基本的な流れを解説します。具体的な操作方法は、使用するソフトウェアによって異なりますので、各ソフトウェアのマニュアルやヘルプを参照してください。
WinPE Bootable Builderの入手とインストール:
- 信頼できる提供元のウェブサイトから、Bootable Builderのソフトウェアをダウンロードします。
- ダウンロードしたインストーラーを実行し、ソフトウェアをPCにインストールします。
起動メディアの準備:
- USBメモリを使用する場合は、8GB以上の空き容量があるものを用意し、PCに接続します。
- DVDを使用する場合は、空のDVD-R/RWを用意します。
- 重要なデータが保存されていないかを必ず確認してください。作成プロセスでデータが消去される可能性があります。
WinPE Bootable Builderの起動:
- インストールしたBootable Builderのソフトウェアを起動します。
基本設定:
- 作成するWinPEのベースとなるWindowsのバージョンを選択します(通常は現在使用しているWindowsのバージョンを選択します)。
- 言語設定を行います。
起動メディアの選択:
- 作成先のメディア(USBメモリまたはDVD)を選択します。
- USBメモリを選択した場合は、対象のUSBドライブを間違えないように慎重に選択してください。
オプション設定(必要に応じて):
- 追加したいドライバ(ネットワークアダプタ、ストレージコントローラなど)があれば指定します。
- 追加したいツール(ファイルマネージャー、ディスク管理ツール、ネットワークツールなど)があれば選択します。
- ブートローダーの設定などを調整できる場合があります。
作成開始:
- 設定内容を確認し、「作成開始」や「ビルド」などのボタンをクリックします。
- 作成にはしばらく時間がかかる場合があります。
作成完了:
- 作成が完了すると、メッセージが表示されます。
- USBメモリの場合は、安全に取り外します。DVDの場合は、書き込みが完了したディスクを取り出します。
6. 作成したWinPE起動ディスクの使い方
作成したWinPE起動ディスクを使用するには、以下の手順でPCを起動します。
- PCの電源を切ります。
- 作成したUSBメモリまたはDVDをPCに接続または挿入します。
- BIOS/UEFIの設定画面を開きます。通常、PC起動直後に「Delete」「F2」「F12」などのキーを押すことで開けます(メーカーや機種によって異なります)。
- BIOS/UEFIの設定画面で、**起動順序(ブート順)**を変更し、USBメモリまたはDVDドライブを最優先に設定します。
- 設定を保存してBIOS/UEFIを終了すると、PCが再起動し、作成したWinPE起動ディスクから起動します。